- 一蘭様について
- 天然とんこつラーメン専門店「一蘭」の店舗運営、物販商品の加工・販売
- 一蘭様
- お話をお伺いした方
- 物販事業部 橋爪 宏治 様
物販事業部 山下 明美 様
情報システム部 冠 政次 様
- お客様の課題
- 旧システムのサポート終了・更新
- システムの機能不足、データのサイロ化
- 生産・物流現場のブラックボックス化
- 課題解決の成果
- ハンディーターミナルを活用して、出荷テレコゼロ・実在庫の一致を実現
- ERPにより生産物流が統合され、トレーサビリティにかかる時間が激減
- 現場の状況がリアルタイムで可視化、現場と管理側との連携が強化
- ご利用モジュール
- UM工程進捗UM販売購買
※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた内容に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述している場合がございます。
株式会社一蘭（以下、一蘭）様は、主力事業である天然とんこつラーメン専門店「一蘭」の運営に加え、店舗で提供される味を自宅でも楽しめるよう、物販事業も展開されています。これらの商品を加工・販売しているのが、今回UM SaaS Cloudを導入いただいた物販事業部です。土産品や贈答品としての需要も高く、店舗外でもブランドの認知度を高めています。この度は、この事業の成長を支える基幹システムとしてUM SaaS Cloudを導入いただきました。
今回、UM SaaS Cloudの導入プロジェクトを推進した橋爪 様、山下 様、冠 様にお話をうかがいました。
旧システムのサポート終了と機能不足
システム導入を検討し始めたきっかけは何ですか？
（橋爪 様）システム導入の主なきっかけは大きく二つありました。
一つ目は、当時使用していた倉庫管理システム（以下、WMS）のサポートが終了していたこと、二つ目は、WMS単体では機能面に不足があり改善を要する状況にあったことです。
生産管理と販売管理、二つの課題が導入を後押し
導入前はどのような課題をお持ちでしたか？
（橋爪 様）検討のきっかけの二つ目にあたるWMSの機能不足があります。
WMSの機能が在庫管理を主軸とし、生産領域までカバーしきれないという点で、生産管理業務のデータ管理が大きな課題となっていました。
例えば、資材の所要量計算など本来システムで行うべき作業を全てExcelで運用しており、現場の負荷となっていたのです。現場からは、これらの作業をシステムに集約したいという強い要望が寄せられました。
当初、WMSの置き換えを目的として選定を始めたため、引き続き他のWMSでの更新を検討していましたが、これでは必要な機能をカバーしきれないことが分かり、より多機能な生産管理系のシステムを含めた選定を開始しました。
販売管理においての課題はありましたか？
（山下 様）受注や出荷管理には、Salesforceで独自に作成したシステムを運用していたため、課題が生じていました。
このシステムは、今後の自社での管理や、機能の拡張性に大きな不安があったのです。さらに、リアルタイムで在庫情報が反映されにくいという課題も存在し、正確な在庫数の把握が困難な状況でした。
導入の決め手は生産・物流の一元管理とSalesforceの親和性
UM SaaS Cloudを選んだ決め手を教えてください
（橋爪 様）一番の決め手は、生産管理と物流管理を統合し、業務を一元管理できることでした。
また、検討を進める中で、Salesforceを基盤とするUM SaaS Cloudを導入することで、このシステムを単なる管理ツールとしてではなく、全社における業務プラットフォームとして活用していくビジョンを持つことができました。
（山下 様）既にSalesforceを使用していたこともあり、UI（ユーザーインターフェース）が馴染みやすかったです。
操作感ももちろんですが、同一プラットフォームでデータを参照することで、現場の負担軽減にも繋がるのではと考えました。
これらの要素を踏まえ、将来的にERP（基幹システム）として活用できる発展性があるとメンバーで確信し、導入に至りました。
出荷テレコのゼロ化と実在庫の一致を達成
導入後、どのような変化がありましたか？
（橋爪 様）最も大きな成果は、出荷テレコがゼロになったことです。
現場でハンディーターミナルとバーコードを利用した在庫管理が徹底されるようになったことで、出荷先を間違える人的ミスが解消されました。
また、それに伴い実在庫の精度も99.9%を超えるレベルに達しました。
UM SaaS Cloudの導入前は年に数回程度出荷テレコが発生していたのですが、導入後は出荷先の間違いが一切無くなりました。
この出荷テレコのゼロ達成は、シナプスイノベーションの導入サポートを通して現場との全面的な協力体制を構築できた結果だと感じています。
現場においての変化が、他にあれば教えてください
（橋爪 様）現場の状況がリアルタイムでシステムに可視化されました。管理側と現場が同じプラットフォーム上で業務を進めることで、今まで現場任せだった業務に管理側が積極的に関与できるようになり、業務の進捗状況も明確になっています。
効率化の面でも、製品回収訓練においてトレーサビリティにかかる時間が激減しました。
今まで、人伝いに情報を確認していた賞味期限や加工日の実績収集が不要になり、全てシステム上で完結できるようになったのは大きな変化です。システムとしてはまだ稼働から1年未満ですが、すでにERPとしてスコープ全体の7割程度は活用できていると思います。
現場に寄り添う導入サポート
システム導入においてのエピソードをお聞かせください
（橋爪 様）導入当初から、UM SaaS Cloudの導入サポートの手厚さに大きな期待をもっておりました。
導入時だけでなく、サポートも含めて困った際の連絡対応に時間がかかることを避けたいと考えたため「何かあった時にスピーディーなサポートを受けられそうだ」という信頼感を重視していました。
提案時も現場に直接お越しいただき、具体的な使い方を説明提案してもらえたことは、管理側だけでなく、現場担当者の大きな安心感につながりました。
次なる目標はUM SaaS Cloudを基盤としたDXの実現
UM SaaS Cloudの活用について、今後の展望をお聞かせください
（橋爪 様）今回のシステム導入で、私たちは在庫精度99.9%という『正確なデジタルデータ』を手に入れました。しかし、これはデジタルを統合した『デジタライゼーション』の完了に過ぎません。
私たちは真の狙いを、UM SaaS Cloudという基盤モジュールの上に、EDIによる受注処理やAIによる需要予測といった戦術モジュールを実装し、ビジネスモデルそのものを変革する『デジタルトランスフォーメーション（DX）』にあると定義しました。これまで人の経験や勘に頼っていた領域をアルゴリズムに置き換え、空いたリソースをよりクリエイティブな『価値創造』へ集中させる。それが私たちの描くロードマップです。
この未踏の領域へ進むには、ベンダーという枠を超えた戦略的パートナーが不可欠です。シナプスイノベーションには、私たちの高い要求を技術で具現化するパートナーとしての役割を期待しています。
