製造業コラム

製造業向けのお役立ち情報を掲載しております。

製造業に携わる方の中には「原価管理や原価計算に実は苦手意識がある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「計算が複雑で難しそう」「現場の動きと数字が結びつかない」など原価計算を習得するためには、いくつかの高いハードルが存在します。

本記事では、初心者がつまずきやすい2つのハードルを整理し、身近な例を使って原価計算のコツをわかりやすく解説します。

原価管理にお悩みのあなたへ!
目次

なぜ製造業で原価計算・管理が重要なのか?

原価計算の目的は、単に「いくらかかったか」を知ることだけではありません。主な目的は以下の3点です。

  • 適正な販売価格の決定
    正確な原価を把握しなければ、利益が出る価格設定ができません。
  • コスト削減のポイント把握
    どこに無駄があるのかを数値で可視化します。
  • 予算管理と経営判断
    実績を把握することで、次期の投資や計画を正確に立てられます。

原価計算で初心者がつまずく「2つのハードル」

原価管理、原価計算、工場簿記

多くの方が挫折を感じるポイントは、大きく分けて2つあります。

第1のハードル:簿記の掟を網羅する必要がある

多くの方は原価計算を習得するために、まず簿記の基礎から学びはじめます。ここが最初のハードルです。

例えば、会計の基本である”費用”と”収益”の書き方、”資産”と”負債”の書き方。なぜ、費用を左、収益を右に書くのか。なぜ資産が左で、負債が右なのか。プラスになる収益を右に書くのに、どうして負債や借入といったマイナス事項も同じ右側に書くのか……。

その理屈を考えると、疑問がたくさん浮かんできます。会計独特のルールに疑問を感じ、そこで足が止まってしまう方が少なくありません。

【克服のコツ】 まずは理屈を深追いしすぎず、「そういうルール(共通言語)である」と割り切って覚えることも大切です。
理解が進むにつれ、資産や負債の概念が繋がり、後から腑に落ちる瞬間が必ずやってきます。

第2のハードル:理論から現場のイメージが繋がらない

次のハードルが、原価計算の基礎となる”工業簿記”です。工業簿記では「勘定連絡図」というものを使って原価を計算します。
現場を見たことがない方は、この図を見ても実際の製造のイメージがわきにくいかもしれません。そして、毎日工場で働いている方の中にも、原価計算となると「?」となってしまう方がいらっしゃいます。

現場では「数量や時間」で会話しますが、原価計算ではそれをすべて「金額」に換算しなければならないため、そのギャップが苦手意識を生む原因となります。
この工程で何がいくつできたとか、どれくらい時間がかかったとかいったことは把握していても、それを金額に換算することはなかなか難しいです。

工業簿記を習得して、原価計算について学ぶ際も、勉強した理論と実際の工場の中で行われている生産活動が、イメージとしてつながらない事態が発生するようです。もしかしたら「イメージが繋がらない」というのが、原価計算に苦手意識を持ってしまう最大の理由なのかもしれません。

【図解】身近なモノ(ペットボトル)で考える原価計算の基本

しかし、原価計算をひとつひとつ紐解いて、ほぐしてゆくと、特別に難しいことではないことがわかってきます。
基本的には「単価×数量で、ひとつひとつの原価を出す」「出した原価と出した原価とを足し算する」だけなのです。

私たちの身近にある「ペットボトルの水」を例に、原価がどう構成されるかイメージしてみましょう。

ペットボトルの構成

私たちが買うペットボトルの水は、ペットボトルという入れ物に、水という中身が入ったモノです。ペットボトルを構成しているのは、プラスチックのボトルとフタ、ボトルに巻くラベルです。

ペットボトルの水を作りたい場合を考えてみます。まずはプラスチックを仕入れて、工場でボトルとフタを作ることにします。ラベルは外部の会社に頼んで作ったものを仕入れ、同じく水も仕入れます。

製造の工程は、ボトルを作る工程、フタを作る工程、水をボトルに入れる工程、ボトルにフタをする工程、ラベルをボトルに巻く工程の5つに分けられるとしましょう。

まず、水とプラスチック、ラベルを仕入れます。この時に、それぞれ仕入の単価が決まります。仕入が完了したら、プラスチックを材料に、ヒトの手と機械を使ってボトルを作る工程に入ります。ここで、ヒトと機械について、それぞれ作業にかけた時間を測っておきます。

プラスチックの仕入れ単価×使った数量

では、原価を計算してみましょう。まずは「プラスチックをいくらで仕入れたか」と「それをどれだけ使ったか」です。プラスチックの仕入単価×使った数量で、プラスチックそのものの金額が出ます。

ボトルを作るためにヒトと機械をそれぞれ使った時間は、すでに測っています。ヒト1人、機械1台が1時間の作業をしたらいくらかかったとみなすかも、あらかじめ決めておきましょう。ヒトの1時間当たりの金額×実際にかかった時間で、ヒトにかかった金額が出ます。機械の1時間当たりの金額×実際にかかった時間で、機械にかかった金額が出ます。

ここまでをすべて足すと、ボトルを作る工程でかかった金額、つまり、原価が計算できます。同じように、フタを作る工程も計算します。ここでフタの原価が計算されます。

次は、水をボトルに入れる工程です。ここで、ボトル+水の原価がわかります。ボトルを作る工程で計算したボトルの原価+水の仕入単価×数量。更に、この工程でもヒトと機械が動くので、その分の金額も足してください。ボトルにフタをする工程、ラベルをボトルに巻く工程……と計算してゆくことで、最終的に、”ペットボトルの水”の原価が計算されます。このように分けて考えると、一気にハードルが下がるのではないでしょうか。

最初からあまり難しく考えずに、どうやって身近なモノを作っているかを想像して、イメージを膨らませてから、原価計算と向き合ってみるのがおススメです。原価計算や原価管理が分かるようになると、身近なモノがどれくらいの原価で作られていて、どれくらいの利益を生み出しているのか、よく知っているあの企業やこの企業がどれくらい利益を上げているのかが分かるようになります。

原価管理にも対応できるERP UM SaaS Cloud

まずはヒトがきちんと理解してこその原価計算ですが、実際の工場で作っているたくさんのモノすべての原価を、ヒトの頭だけで計算するのはなかなか大変です。そんなときにはシステムを使ってみてはいかがでしょうか。

シナプスイノベーションが提供する「UM SaaS Cloud」のオプション製品「UM原価」を活用すれば、以下のような業務がスムーズに行えます。

  • 品目単位・ロット単位でのコスト内訳の確認
  • 見積時の予算原価(標準原価・見積原価)の管理
  • 月次での実際原価の管理

「計算が合わない」「集計に時間がかかりすぎる」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ページをご覧ください。
また、システムのご相談は、お問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。

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