製造業コラム

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個別受注生産と受注生産の違いとは?

製造業の生産管理において、自社の生産形態を正しく理解し、最適な管理手法を選ぶことは非常に重要です。
よく耳にする「受注生産」という言葉ですが、実はその中にも設計から行う「ETO(個別受注生産)」と、既存の仕様で作る「MTO(繰返受注生産)」があり、管理のポイントは大きく異なります。

本記事では、ETOとMTOの違いを中心に、製造業の主要な4つの生産方式(ETO/MTO/ATO/MTS)の特徴やメリット・デメリットを一覧表を用いて徹底解説します。

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目次

製造業における4つの生産方式

製造業の生産方式は、顧客からの注文を受けるタイミング(受注)と、設計・調達・製造の開始タイミングによって、主に以下の4つに分類されます。
デカップリングポイント(在庫を持つ分岐点)がどこにあるかによって、管理すべきリスクやリードタイムが異なります。

生産方式の比較一覧表

用語日本語名称受注のタイミング特徴代表例
MTS見込み生産製造後在庫販売。需要予測が重要。食品、日用品、家電
ATO / BTO受注組立生産部品製造後部品を在庫し、受注後に組立。PC(BTO)、自動車
MTO受注生産設計後設計済み製品を受注後に製造。工作機械、電子部品
ETO個別受注生産設計前受注後に設計から開始。完全オーダーメイド。プラント、金型、試作品

それぞれの詳細を見ていきましょう。

MTS(Make To Stock) 見込生産

その製品が市場でどれだけ売れるかを受注前に予測してから製造する方式です。
製造した製品は在庫になり、注文されるとそこから出荷します。安定的な需要が見込まれる製品や大量生産しやすい製品に向いてますね。
たとえば、コンビニで売られているカップラーメンなどが該当します。

ATO(Assemble To Order) /BTO(Build To Order) 受注組立生産

あらかじめ構成する部品を見込みで製造し、在庫として持っておきます。注文されると部品を組み立てて、完成したら出荷する。
単価が高くてカスタマイズしやすい製品に多い生産形態です。ちなみにパソコンのDellもBTOで作られています。

MTO(Make To Order)/CTO(Configure To Order) 受注生産/繰返受注生産

一般的な”受注生産”は、注文を受けてから部品や資材の調達を行って製造します。事前に設計されている基本仕様に沿って製造するのが主流ですが、
カタログなどを使って、いくつかの仕様の中からお客様に選んでもらうパターンもあります。

ETO(Engineer To Order)  個別受注生産/受注設計生産

注文を受けてから個別の仕様を設計し、それに則って製造します。大きいものでは船や工場の発電設備のプラント、一品モノの機械。
または専用のデザインが施されているモノ。たとえば、高級チョコレートのパッケージやオーダーメイドの服もETOです。

つまり、”受注生産”とは注文されてから製造をすること。さらに、一つ一つの受注に対して、個別に行うモノが”個別受注生産”になります。

個別受注生産についてオーダーメイドの服を作るプロセスをもとに考える

個別受注生産の服を作るプロセス

“個別受注生産”とはなにかが大まかにわかったところで、オーダーメイドの服を例に、生産の流れを見てみましょう。

まず、お客様が仕立て屋さんにやってきます。店員は「どんなイメージの服なのか」「どこに着て行きたいのか」をヒアリングして、要望に合った服を
スケッチすることから始める。他にも多くのお客様の服をつくるので、それぞれがどの服なのかを識別するために、一つ一つ番号を付けます。製造業では
これを”製造番号”略して”製番”と呼びます(実際の仕立て屋さんでは製番と呼ばないでしょうが、製造業のコトバで話します)。

スケッチからデザインが決まったら、次はお客様のサイズを細かく測って型紙を作ります。どのような生地で、色や柄はどうするのか。
これが製造業の”設計”です。設計ができたら、仕立てに取り掛かる前に、段取りを決めます。材料は手元にあるか?なければ、誰がいつどこに発注して
いつまでに手元に届くか?誰がいつどうやって布を裁断して、誰がいつどうやって縫い合わせるか?製造業ではこれを”手配”と呼びます。

製品ができるまでの手配を、最初に全部決められるとは限りません。ヒトや機械(仕立て屋ならハサミやミシンでしょうか)の都合で、ある程度の作業が
進まないと、最後まで決められなかったりもします。作業と並行しながら手配することもあります。

手配のタイミングで、お客様に服がいつごろできあがるのかを連絡します。これを”納期回答”といいます。

納期を決めるには、様々な要素を考慮する必要があります。生地やボタンなどの材料は在庫があるか。裁断や縫合はいつまでに出来るのか。
一日中同じお客様の服だけを作り続けるわけではないので、たくさんのお客様の服を限られたヒトと機械で作らなければなりません。

ある程度の手配ができて納期が決まったら、まずは材料を調達します。在庫があればそれを使って、なければ仕入れをする。生地が準備できたら裁断して、
そこそこ出来上がったら、仮縫いをします。仮縫いができたら、実際にお客様の体に生地を当てて、細部を微調整します。
製造業ならば、中間レビューにあたりますね。このタイミングで仕様が変わることもしばしば。手配をやり直すこともあります。

調整してOKが出たら、最後まで縫います。縫い上がったら出来栄えに問題がないか検査をする。
検査に合格してはじめて、お客様のもとに服が引き渡されます。

個別受注生産で必要なことは
「品質良く、納期通りに、利益が確保できる原価で作ること」

個別受注生産で求められるのは「お客様の要望通りのモノを、品質良く、納期通りに、利益が確保できる原価で作って、お渡しすること」です。

そのために、設計をするヒト、手配をするヒト、材料を調達するヒト、製造をするヒト、できたものを検査するヒト、配送するヒト……様々なヒトがいます。このヒトたちは、その求められることを実現するために、常に情報を共有し、なにか変更があれば速やかに周知しなければなりません。2、3人でモノを
作っているうちはいいですが、10人、100人、1,000人……と関わる人が増えたら、この情報共有がとてもむずかしくなります。

そこでシステムを使います。

当社が提供するクラウドサービス「UM SaaS Cloud」は、個別受注生産・受注生産どちらにも対応するクラウドERPです。

「設計通りに調達や作業を”手配”する機能」「お客様へ”納期回答”する機能」「製造の”実績”を入力する機能」「作業の”進捗”を確認する機能」が盛り込まれています。製造に関わるヒトがこのシステムを使いこなすことで、個別受注生産で求められることが、より簡単に、より確実に実現できるようになります。当社は、一社でトータルソリューションをご提供することが可能です。

個別受注生産・受注生産のよくある課題とその解決策につきましては、弊社サイト内の「UMに出来ること」でもご紹介していますのでぜひご覧ください。
興味をお持ちいただけましたら、ぜひ資料請求をお願いいたします。

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